ギョーザ中毒事件 犯行の手口、初めて判明 日本側の証拠と合致(産経新聞)

 ■容疑者「梱包の外から注射」

 有機リン系の農薬「メタミドホス」による中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、危険物質混入容疑で逮捕された「天洋食品」元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)が中国公安省に「(農薬は)冷凍ギョーザが梱包(こんぽう)された段ボール箱の外から、注射して混入した」と供述していることが29日、日本の警察関係者への取材で分かった。日本側の捜査結果と合致するため、警察庁などでは供述の信憑(しんぴょう)性は極めて高いとみている。犯行の具体的手口が明らかになったのは初めて。

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 供述内容は今月21、22の両日開かれた情報交換会議で、中国側から警察庁に伝えられた。

 警察関係者によると、呂容疑者は中国公安省の調べに、「(天洋食品の)工場の冷凍庫に侵入し、袋入りの冷凍ギョーザが梱包された段ボール箱の外から、注射器を横向きにして針を刺して注入した」と供述。注入量については「(3日間にわけて)3回やった。(1回あたり)20ccほどだったと思う」と説明した。

 平成20年1月に兵庫県で中毒を起こしたギョーザと同じ製造月日で、大阪府枚方市のスーパーにいったん配送され、「袋がべたべたする」として回収された未開封ギョーザ6袋については、袋の表面からメタミドホスが検出されている。

 このうち1つの袋だけが、表と裏に注射針の貫通したとみられる直径約1ミリの穴が開いていたことが明らかになっている。6袋は、同じ段ボール箱に入れられて日本に輸出され、店舗に配送されていた。

 中国当局が押収した注射針の長さや、梱包用段ボールの厚さを検証した中国側の捜査結果を踏まえ、段ボール箱の中に、立てて並べられた冷凍ギョーザのパッケージは、段ボールの横から刺した注射針が1袋目までは達する位置にあったことが、警察当局の捜査でも判明。呂容疑者の供述と犯行状況とは矛盾しない、との見方が強まった。

 このため警察庁では、枚方市のケースについて、パッケージを貫通した針先から農薬が段ボール箱の中に広がり、他の5袋の外側にも付着した疑いがあるとみている。ただ、千葉県で中毒を起こした冷凍ギョーザの袋からは穴が見つかっていない。開封時に破いた部分に穴があった可能性もあるが、警察庁は混入経路の全容解明のため、5月中に幹部らを中国に派遣し、さらに情報交換を進める。

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